【調査】Z世代の動画消費とショートドラマ|「見て終わり」ではなく「見て買う」世代

ショートドラマを誰に届けるかを考えるとき、避けて通れないのがZ世代(おおむね10代後半〜20代)です。彼らは動画・SNSの使い方が上の世代と異なり、「見て終わり」ではなく「見て、その日に買う」行動を取ります。本稿では、最新調査からZ世代の動画消費を整理し、ショートドラマ活用への示唆をまとめます。
この記事の要点(先に結論)
- Z世代の動画利用はYouTubeが最多。TikTokは“世代差が大きい”SNS。
- ショート動画視聴後、約3割が購入・申込に動く。
- 動画広告を見たZ世代の約6割が1日以内に購入。きっかけは「印象に残った」。
Q. Z世代はどのSNS・動画を使っている?
利用率はYouTubeが最多です。サイバーエージェント次世代生活研究所の2025年調査(Z世代=17〜28歳・1,236サンプル/全体2,884サンプル)では、Z世代のSNS利用率はYouTube 86.1%/LINE 85.8%/Instagram 71.6%/X 66.8%/TikTok 52.8%。とくにTikTokは「Z世代52.8% vs 29〜60歳 30.9%」と世代差が大きいSNSで、若年層に届けたいなら外せません(出典:サイバーエージェント)。
ショートドラマ(マイクロドラマ)の視聴者も若く、約46%が18〜34歳とされます(出典:DIGIDAY)。Z世代は、縦型・物語フォーマットの中心的な受け手です。
1. Z世代は「見て終わり」ではなく「見て買う」
Z世代の特徴は、動画視聴が購買行動に直結することです。
- ショート動画を見たZ世代の約3割が、視聴後に購入・申し込みをしたと回答(出典:日経クロストレンド・Z世代女性調査)。
- 動画広告を見たZ世代の約6割が「1日以内」に購入し、購入理由のトップは「印象に残った」49.5%(出典:ECのミカタ)。
- Z世代女性の約70%がInstagramで新商品に出会い、Z世代全体の約60%がインフルエンサー紹介商品を購入しています(出典:SHIBUYA109 lab.)。
「印象に残る」かどうかが行動を分ける——これは、説明型の広告より、感情を動かす物語型が効く理由そのものです(→なぜ物語は人を動かすのか)。
2. 示唆:ショートドラマをどう設計するか
- 媒体はターゲットで選ぶ:認知拡大はTikTok、世界観・新商品認知はInstagram Reels(→媒体別の作り分け)。
- “印象に残る”を狙う:機能の羅列でなく、感情の動く一場面を。冒頭3秒で引き込む。
- 視聴から購買への導線:プロフィール・概要欄・次話への誘導まで設計する。
3. Z世代の傾向を、動画設計に落とし込む
データが示すZ世代の傾向は、そのまま制作判断に翻訳できます。
| Z世代の傾向(データ) | 動画設計への落とし込み |
|---|---|
| 購入理由トップは「印象に残った」49.5%(ECのミカタ) | 機能説明でなく、感情が動く一場面を主役に |
| 約6割が動画広告視聴後1日以内に購入(ECのミカタ) | 視聴直後に動ける導線(プロフィール・リンク)を用意 |
| 新商品との出会いはInstagramが中心(SHIBUYA109 lab.) | 世界観・新商品認知はReelsでトーンを統一 |
| TikTokは世代差が大きい(サイバーエージェント) | 若年新規の開拓はTikTokで“発見”を狙う |
ポイントは、「説明して納得させる」のではなく「印象に残して、その日のうちに動いてもらう」設計に切り替えること。Z世代は“見て終わり”ではなく“見て買う”世代だからこそ、感情を動かす物語型が効きます(→なぜ物語は人を動かすのか)。
4. 世代で「届け方」はどう変わるか
同じ商材でも、世代で主戦場と刺さり方が変わります。Z世代は動画起点で“その日に買う”傾向が強い一方、上の世代は比較・検討に時間をかけます。若年層に届けたいなら、TikTokの世代差が大きいという特性(Z世代 52.8% vs 29〜60歳 30.9%/出典:サイバーエージェント)を活かし、TikTokの“発見”を入口にするのが有効です。世界観や新商品認知はInstagram、幅広い世代への到達はYouTube、と目的で使い分けます。年齢が上の決裁層には、動画で生まれた“想起”を、商談や資料で補完する二段構えが現実的です。
5. 最新データ:Z世代の中でも「買う経路」は年齢で分かれる
ひとくちにZ世代と言っても、年齢で購買経路が変わります。最新の国内調査では、TikTok経由の購入は15〜19歳が27%と最多で、年齢が上がるほど低下。一方でEC購入は25〜29歳で47%と、年齢が上がるほど“じっくり買う”傾向が見えます(出典:ネットショップ担当者フォーラム、2025年調査)。
購入の決め手も具体的です。Instagramで購入に至ったきっかけは「ユーザーによるレビュー」60.4%、「モデルやインフルエンサーのPRコンテンツ」49.1%でした(出典:Web担当者Forum)。“他者の声”と“憧れの体現”が、購買のスイッチになっています。
SNSの土台となる国内インフルエンサーマーケティング市場も、2024年に約860億円(前年比16%増)へ拡大しています(出典:ミンテルジャパン)。
示唆は明確です。10代後半にはTikTokの“発見”で、20代後半にはレビューやインフルエンサーの“裏づけ”で——同じZ世代でも、年齢に応じて物語の届け方と導線を変えると、購買への転換が高まります。
6. 「見ながら買う」ライブコマースの広がり
“動画で買う”はショート動画にとどまりません。ライブコマース(生配信での販売)でも、視聴経験者の54.8%が実際に商品を購入し、20代は66.2%、30代は59.6%と若年層ほど高い結果が出ています(出典:NTTドコモビジネスX/PR TIMES)。購入の決め手は「説明内容による安心感」47.5%、「出演者による安心感」44.3%、「双方向コミュニケーション」35.8%でした(出典:同)。
共通するのは、“人”と“リアルさ”が安心を生み、購買を後押しするという構造です。ショートドラマも同じで、説明より「人の物語」が信頼と行動を生みます。短尺ドラマで興味を作り、ライブやレビューで安心を補強する——という組み合わせも、Z世代への有効なアプローチになります。
よくある質問
Q. Z世代に一番届くSNSはどれですか? A. 到達の広さはYouTube(利用率86.1%)、若年への“刺さり”はTikTok(世代差が大きい)です。世界観や新商品認知はInstagramが強い傾向です(出典:サイバーエージェント/SHIBUYA109 lab.)。
Q. ショート動画は本当に購買につながりますか? A. つながります。Z世代の約3割が視聴後に購入・申込、動画広告を見た約6割が1日以内に購入というデータがあります(出典:日経クロストレンド/ECのミカタ)。
Q. どんな内容が「印象に残り」ますか? A. 機能の説明より、感情が動く物語です。Z世代の購入理由トップは「印象に残った」。物語型のショートドラマが有効です。
Q. Z世代は広告を嫌うと聞きます。逆効果になりませんか? A. 嫌われるのは「広告だと分かる説得」です。物語には自ら没入するため、ショートドラマは“広告に見えない”入口になります。売り込みを冒頭に置かない設計が鍵です。
Q. インフルエンサー起用とどちらが効きますか? A. 役割が違います。Z世代女性の約6割がインフルエンサー紹介商品を購入(SHIBUYA109 lab.)と相性は良い一方、ショートドラマは“世界観ごと”伝えられる強みがあります。併用も有効です。
Q. Z世代の中でも年齢で打ち手は変わりますか? A. 変わります。TikTok経由購入は10代後半が最多(15〜19歳27%)で、年齢が上がるとEC・実店舗の比率が高まります(出典:ネットショップ担当者フォーラム)。10代後半はTikTokの“発見”、20代後半はレビューやインフルエンサーの“裏づけ”を重視すると効果的です。
Q. 何を「印象に残す」べきですか? A. 機能ではなく感情です。Z世代の購入理由トップは「印象に残った」。感情が動く一場面を冒頭3秒に置き、その後の導線(プロフィール・リンク)で行動につなげます。
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出典
- 日経クロストレンド(ショート動画視聴後の購買) https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00758/00002/
- ECのミカタ(動画広告視聴Z世代の購買) https://ecnomikata.com/ecnews/34495/
- SHIBUYA109 lab.(Z世代女性の新商品認知・購買) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000142.000033586.html
- DIGIDAY(マイクロドラマ視聴者層) https://digiday.jp/brands/in-graphic-detail-the-rise-of-micro-dramas-that-are-attracting-big-ad-dollars/
- サイバーエージェント次世代生活研究所(2025年Z世代SNS利用率 YouTube86.1%/TikTok52.8%) https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=32772
- ネットショップ担当者フォーラム(年齢別の購入経路:TikTok購入15-19歳27%等) https://netshop.impress.co.jp/n/2025/12/26/15353
- Web担当者Forum(Instagram購入きっかけ レビュー60.4%・インフルPR49.1%) https://webtan.impress.co.jp/n/2023/07/14/45240
- ミンテルジャパン(国内インフルエンサーマーケ市場 約860億円・前年比16%増) https://www.mintel.com/jp/press-centre/japan-report-sns-trends-2025/
- NTTドコモビジネスX/PR TIMES(ライブコマース 視聴者54.8%が購入・20代66.2%) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000312.000006600.html